私たちティアは、熊本地震の経験を糧に「豊かな食の未来づくり」にチャレンジします！

みんなが心から安心して、笑顔で「ごちそうさま」といえる食事を提供したい

はじめまして、株式会社ティア代表の森川雅史です！ 私たちティアは、18年前の1998年6月19日に「家族みんなで食べられる優しい店」を目指し、熊本の地産地消、旬の無農薬・有機野菜を使った家庭料理のお店としてオープンいたしました。１８年間で地域に根差した食・農・消費者をつなげる様々なチャレンジを行ってきました。

食においては、どの世代も安心して楽しく食事ができるように、常時約50種類のメニューを揃えたビュッフェ形式で展開。アレルギーのこどもでも、高齢者でも食べられるメニュー開発に取り組んでまいりました。農においては規格外の野菜を農家から直接買い取ることで、廃棄される野菜を活用し、生産者を買い支える役割も努めてきました。消費者であるお客様へ対しては、安全な食を知っていただくための「ティア食の共育アカデミー」を定期的に開催するなど、消費者教育にも取り組みました。他、環境にも配慮したマイ箸運動を通じて、マイ箸持参の方一人につき、５円をNPO法人環境ネットワークくまもとへ寄付するという活動も行いました。18年間でたくさんのお客様、生産者のみなさまとの関係を積み重ねてきました。

【熊本地震・震度6の激震】「自分たちが出来ることから始めよう。」

突然始まった恐ろしい揺れはまさに激震でした。当時、お客様や従業員にケガもなく、火事も発生しなかったのは不幸中の幸いでした。しかし、非常に残念ながら、多くの方々に愛されてきた店内には大きなひび割れが多数入り、設備や食器が想像できないような状態で壊れ、スプリンクラーにより店内は水浸しとなりました。営業どころか運営も困難な状況に陥ってしまいました。 そのような店舗の困難な状況に加えて、当然スタッフも被災し大変な状況でした。全国のティアを支えてくださる方々から支援物資が次々と届き、辛いのは私たちだけじゃない！私たちが出来ることから始めよう！今こそ手を取り合おう！と、それぞれに大変な状況下にあるスタッフも集まり炊き出しなどのボランティア活動を始めました。

厳しい現実を前に、諦めかけていたその時

ライフラインの復旧に心血を注いで下さった皆様のおかげで日に日に環境が良くなっていく一方で、あまりにも多い余震による心身への影響は計り知れませんでした。復旧のめどが立たない設備等の状態に、18年間やってきたお店を閉じることを考えました。しかし、そのような中、全国のティアを支えて下さった方々やお客様から「決して諦めてはいけない！ティアの志を消してはいけない！」と本当に涙が出るほど温かいご声援をいただきました。諦めかけていた私たちは、それぞれに声をかけあいました。「私たちが熊本の皆さんに、ご支援していただいた皆さんに出来ることは何だろう？」 答えはすぐに出ました。

もう一度、みんなに心からの笑顔で「ごちそうさま」を。

それはお店を閉めるのではなく、もう一度、原点を見つめ直して、みんなに心からの笑顔で「ごちそうさま」の溢れるティアを再開すること。 人は、笑うことで元気になれます。「ごちそうさま」を漢字で書くと「御馳走様」。 「馳」という字も「走」という字も、「走る」という意味を持ちます。料理を食卓に並べる為には、 食材を育てる為に走る人がいます。 食材をお店に並べる為に走る人もいます。 また、食材を買い集める為に走る人がいます。そのたくさんの人が走り回って、私たちの前に初めて料理として並んでいるのです。ですから、「走る」という意味の漢字を2つも重ねた上で、敬意をもって 「御」や「様」という字をつけて、感謝の気持ちを表すのが、「ごちそうさま」なのです。

震災で受けたダメージは決して建物や設備だけではなく、私たちが積み重ねてきた18年間の想いがあります。 復興はカタチのあるものだけではなく、一人一人の想いや願い、安心感などカタチのないものも含まれるのです。 震災を経験したからこそ、気付いた生きる上で大切なこと。安全な食の提供という復興だけではなく、地域の生産者と消費者が手をつなぐ循環の輪、食の情報提供による安心な食の熊本を目指し歩みます。1人でも多くの人に、安心して笑顔で「ごちそうさま」と 言ってもらえるように、どうぞご支援宜しくお願いいたします。

土に命と愛ありてーティア スタッフ一同

ショートムービー
音楽　「笑顔でごちそうさま」作詞　千々岩音楽教室、作曲　千々岩和美、編曲　樫本儀一